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輸入住宅が「常識」をくつがえす

2018年2月13日「火曜日」更新の日記

2018-02-13の日記のIMAGE
 この間の規制緩和により、住宅に限らず、車や食品などその他さまざまなものが外国から輸入されるようになりました。左ハンドルの車が増えることで、駐車場や高速道路の料金所には左ハンドル用の設備も出てきました。  また外国の食品が入ってきたことで、その国の食器や調理用具なども広まっています。 海外の食文化そのものが日常生活に溶け込んで、日本にいながら異文化経験が可能になってきました。こうして外国からの輸入が増えることで、生活がバラエティーに富み、選択肢が多くなり、人の意識も固定観念からどんどん解放されてきています。  住宅に関しても同様です。最近では、輸入住宅を見かけることはさほど珍しいことではなくなりました。赤や黄色、水色といった派手な色使いの壁、ベランダの手すりなどには凝ったデザイン。少し前までは、日本の住宅の中でやや違和感のあったこうした輸入住宅の外観も、もうかつてほど突飛な印象を受けなくなりました。要するに、見慣れてきたのです。  そうやって異質のものが入ってきて、それに人が慣れていけば、これから家を建てる人にとってプラスになるのではないでしょうか。それだけ自由度が高まり、選択肢が増え、周りの人もそれを「おかしい」と感じなくなってくるのですから。本当に日本人の柔軟性というのは素晴らしいものです。  輸入住宅と一口に言っても、大きく分けると北米系と北欧系の2種類があります。木材をふんだんに使い、派手に飾りつけをする北米系の住宅が、数では圧倒的に多く、見た目も豪華です。生活空間をいかに楽しむかという、いかにもアメリカ人らしいコンセプトの家です。  それに対し、北欧系の家は機能重視です。 それはちょうど白木の北欧家具と一緒で、見た目はとてもシンプルですが、実際に住むにはとても合理的にできた住宅であるといえます。  輸入住宅の一つの特徴は、オープンなワンフロアーの感覚です。日本の住宅は、玄関を入るとまず廊下があって、そこからリビングなどに入るというように、玄関と部屋の間に、必ずワンクッションあります。ところが輸入住宅では、玄関を入るとそこが直接リビングになっている間取りが珍しくありません。  玄関のドア自体も、日本ではどうしても外の埃や雨を家の中に入れないという感覚があり、そのため玄関のドアは必ず外に開きます。その点外国の玄関のドアは、人を招き入れるという感覚ですので、家の内に向かって開くようになっています。  日本人の性格的なものなのでしょうか、輸入住宅で、日本人が一番気にするのが、細部の建て付けの精度です。日本人は、本当に隅々まで一分のズレもなくきちんと仕上がっていないと納得できない、という人が多いようです。  車でもそうです。アメリカ車は、左右のドアとボディの隙間の幅が多少違っていたりしますが、日本人はまずそういう車は買いません。そこで、日本仕様として、販売店は輸入した車に再度手を加えなければならなくなります。  住宅の場合でも、同じです。日本人にはどうしてもなじまない部分は、日本人向けに開発し直して輸入しているようです。しかしこれから先、海外生活の経験者がもっと増えてきたり、生活自体がより西欧化していけば、もはや日本仕様は必要なくなるときも、案外そう遠くはないのかもしれません。

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