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納税資金を確保する

2020年2月10日「月曜日」更新の日記

2020-02-10の日記のIMAGE
次に、財産の棚卸をした結果、相続税を納付することがはっきりしたときは、どのようにして納税するかを考えます。相続税は原則として相続が発生した日から一〇カ月以内に、現金で一括納付することになっています。残った家族のことを考えれば、税額に見合った現金を用意してあげることがベストです。とはいえ、前もって不動産や株券を売却しなければ、まとまった現金はなかなか用意できません。日本人の平均的な財産構成を見ると、土地が七割を占めていますが、相続税の納税準備として、不動産を売却することには抵抗があるでしょう。そのため、多額の相続税を納付しなければならないとき、相続税額に見合った現金が用意されていないケースがほとんどです。現金一括納付が困難なときは、現金が十分にないなどの理由を申請すれば、担保をつけて最長二〇年の延納(分割払い)もできます。しかし、相続税延納の利子税額は原則年利三・六~六.0パーセント(公定歩合に連動する特例もあります)と、最近の預金金利を比べるとかなり高率なので、長期間の延納はお勧めできません。金銭による一括納付が不可能で、延納もむずかしいときは、現金にかわる財産を「物納」するっことになります。物納できるのは換金性が高いもので、物納適格財産といいます。物納適格財産の第一順位は国債、地方債、不動産、船舶で、第二順位が社債、株式、信託受益証券、第三位が動産となっています。多くの例は不動産(土地)の物納です。したがって、相続税を物納することを前提に、相続稅額に見合った価値はあるけれど、自分にとって利用価値が低い土地を、物納予定地、として確保しておくことがポイントになります。物納の是非を判断するのは各地の財務局ですが、建築確認がとれる(=家が建てられる)とか確定測量が終わっている(隣接地との境界が確定している)など物納条件をクリアしていれば、基本的に物納を受け付けます。財務局は「物納申請した土地ではなく、別の土地を物納しろ」とはいいません。ですから、家を建てることができる土地であれば、貸し地でも、すでに貸家が建っていても、その土地(底地権)は物納できます。ただし、大前提があります。不動産を物納する場合の相続税評価額より、売却したときの手取額のほうが多ければ、当然、売却して現金で納付することになります。

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