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大量農地の宅地化が進む

2020年2月2日「日曜日」更新の日記

2020-02-02の日記のIMAGE
"首都圏の郊外は、もともと大消費地を抱えた野菜の生産地でした。一反(三00坪)単位の畑が広がる光景は、いまでも東京五〇キロ圏内によく見られます。都市計画法で市街化区域に指定されている畑でも、二〇年間農産物をつくり続けること(終身営農)にすれば、『生産緑地』の指定を受けて固定資産税、都市計画税などが大幅に軽減されます。住宅地の真ん中に広い畑が残っているのは、このためです。ところが、いま、大量の農地が宅地化されようとしています。一番の理由は終身営農を申請した本人が亡くなり、相続問題が起こっているからです。子供が再び終身営農を申請して生産緑地に指定されれば、相続税の納税は猶予されます。しかし、実際は後継者難で、その後継者難に拍車をかけているのが農産物価格の低迷です。価格の安い外国産農産物が市場にあふれ、日本国内で農業をしても農機具や肥料、農薬のコストを考えると、ほとんど利益が上がりません。利回りから考えると、駐車場にするよりも悪いでしょう。土地活用としては最低のランクになると思います。相続が起こると、農業を継ぐ意思がない相続人は、農地として買取を申請して、生産緑地の 指定を解除してもらい宅地化します。この場合、宅地並みの相続税を納税しなければなりませんが、東京近郊の場合は、宅地化を選択するケースが増えているようです。こうして、生産緑地は宅地に変貌していきます。農業従事者の高齢化が進むにつれ、農地の 宅地化はますます進行します。宅地の供給は増え、当然、地価が低下する大きな要因になることは間違いないでしょう。"

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