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賃借人に更新料の支払い義務はあるか①

2019年12月26日「木曜日」更新の日記

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契約の更新に当たり、借地人、借家人には当然、更新料を支払う義務があるのでしょうか。支払いを拒否するとどうなりますか。■特約を交わさなければ支払い義務はない更新の際には、更新料の授受を伴うケースが多いのですが、この更新料の支払いは賃料などと違って、法律で義務づけられたものではありません。つまり、借地人には必ずしも更新料の支払い義務があるとはいえないのです。この点に関しては今回の新借地借家法にあっても何の改正も行われていません。ただし、この問題については従来から争いがあります。下級審判例では慣習によって賃借人には更新料の支払い義務があるとしたものもありますが(東京地裁昭四八・八・一七)、最高裁判例は借地契約の期間満了において、地主の請求があれば当然に地主に対する更新料支払い義務が生ずるという商慣習ないし事実たる慣習は存在しないと述べています(最高裁昭五一・一○・一)。当事者間で更新料を支払う特約を交わさない限り、借地人には更新料の支払い義務はないといえます。つまり、更新の時期がきたからといって、貸主は当然に更新料の支払いを請求できるわけではなく、更新料を支払うつもりはないといっている賃借人を相手に「金○○万円の更新料を支払え」と裁判を起こしても勝訴する見込みはないということです。

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