へやいろシーン

トップ > 元年12月> 14日

修繕費の支出を理由に家賃値上げを拒否された②

2019年12月14日「土曜日」更新の日記

2019-12-14の日記のIMAGE
しかし、家主の立場からいうと、修繕をしない代わりに、賃料値上げもあきらめるというのは危険なことです。賃料が周辺の相場等に比して不相当に低くなりますと、その安さゆえに借家人は絶対明け渡そうとはしなくなり、倒壊寸前まで借家にしがみつく恐れが十分にあるからです。しかも修繕費を勝手に立て替えたといっては賃料と相殺する可能性もあります。したがって、老朽家屋であっても多少の修繕費を支払う代わりにある程度の賃料値上げはしておいたほうがよいのです。借家人がこれだけかかったといっているなら、その領収証、見積書等を全部もってこさせ、本当に建物の維持・保存に最低限必要と思われる修繕の費用だけは支払えばよいでしょう。その上で応分の賃料値上げも罷めさせるようにします。老朽家屋では家賃も低く抑えられているでしょうし、家主には新しい建物におけるほどの修繕義務はないので、修繕費を出す代わりに家賃にも色をつけてもらいますというのです。そして、次回以降、修繕するときは、たとえそれが必要行為であっても必ず家主に連絡をさせ、その修理が真に必要なものなのかどうかのチェックを厳密にやるようにすべきです。修繕は、し終わってからではそれが必要費的なものであったのか、有益費的なものであったのかの区別が容易にはつかないからです。■不払い部分については借家人に催告することができるなお、借家人がもし勝手にすべての修繕費を賃料と相殺して支払ってこなくなったら、必要費以外の修繕費部分は賃料の不払いとなりますので、その部分について借家人に催告します。借家人が支払ってこなければ、家主は家賃不払いの債務不履行に基づいて契約を解除することができます。

このページの先頭へ