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後書きにその趣旨・目的を記載する?

2019年10月23日「水曜日」更新の日記

2019-10-23の日記のIMAGE
当然ですが、遺言が実現化されるときには、遺言を書いた本人はその場に立ち会うことはありません。遺言を書くときにその実現を疑う人はあまりいないと思いますが、現実には書かれた渋言の100%がそのまま実行されているわけではありません。自分の思いを確実に反映させ、その実現を確実なものにしようと、最近、遺言本文のほかに心情などを書き加える、「はじめに」、「終わりに」などの付言事項を書き加える方が多くなりました。本文に記載した事項を補足するため、遺言に至る経緯・心情を、また主たる趣旨を明記するようにしています。また、自筆の書面を公正証書に添付することもできます。(1)付言事項の例たとえば、病気がちな妻の老後に不安がある場合、「苦労をともにし現在の生活を築き上げた病気がちな妻に全財産を相続させる」とか「**家を守り、苦労をともにし現在を築き上げた病気がちな妻の老後の面倒をみてくれる長男に他の者より多くの財産を相続させる」のような内容の遺言を書くに至った遺言者自身の心情を付け加えることによって、相続分が少なかった相続人が納得できることもあります。不平等な相続配分は経済的価値だけではなく、被相続人にとって自分はそんなに取るに足らない存在だったのかという人間性さえも否定されるような思いに囚われることさえあるのですから。また、家族全員(特定の人だけでなく全員)への慈愛溢れるメッセージは、遺言督を全員の前で開示するとき、小説やテレビドラマに比べることができないほどとても感動する場面です。これからの不透明な時代を乗り切るには、1一本の矢より2本、3本の矢が大切です。家族の絆・結束を強化するためにも遺言を最大限に活用したいものです。なお、トラブルが生じて遺産分割の調停や審判が行われる場合、このような遺言事情の詳細を尽くした付言事項は極めて重要な判断材料になるとされています。

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