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家族に行方不明の者、未成年者、行為制限能力者がいるとき?

2019年10月1日「火曜日」更新の日記

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遺産分割は、法定相続人全員の合意により有効に成立します。音信不通・行方不明の者、または痴呆により協議に参加できない者、未成年である相続人がいる場合に、他の相続人だけで決めたときは適切な合意が形成されたとは言えず、後でその協議は無効とされる可能性があります。また、相続税申告、預貯金の相続手続きには相続人全員の印鑑証明書が必要になります。(1)行方不明者、未成年者、行為制限能力者がいるとき行方不明者がいるときは戸籍の附票を取り寄せれば、その者の最後にいた住所がわかります。その住所に手紙を送るなどにより連絡を取ることになります。しかし、住まいを探し出すことができないときや、また後述の失踪宣告がなされるまでは、不在者の財産管理人の選任を家裁に申し立て、選任された者が分割協議に参加することになります。実務では、選任の申立て時に推薦者を示し遺産分割協議書案を添付します。なお、連絡が取れず行方が不明になって7年を経過(捜索願を出してから)すれば家裁に失踪宣告の審判を申し立て、失踪宣告がされると死亡したものとみなされ相続が開始します。-未成年者がいるときは、親権者の同意を得て遺産分割の協議をすることになりますが、親権者も相続人のときは利害が形式的にも相反することになり、家裁に協議書案を添付して特別代理人の選任の申立てを行います。未成年者が2人いれば2人それぞれの特別代理人を選任する必要があります。痴呆により、または精神・知的障害により協議に参加できないときも、協議『替案を添付して後見人・保佐人等または同監督人の選任を申し立てる必要があります。いずれの申立ての場合も遺産分割協議書案を添付しますが、その者の権利を保護する意味から、分割案としては基本的には法定割合に相当する内容が求められます。(2)特別な事情があるとき、備えあれば憂いなし速やかに分割協議ができない事情がある場合は、残される家族の不安をなくし、速やかに安定した生活を確保できるようにしたいものです。親として簡単に準備できることは、生前に退言書を作成しておくことです。資産家ではないと謙遜せずに誰もが書いておきたいものであり、また普いておいてもらいたいものです。もちろん、その実現を託す遺言執行者として信頼できる人の存在はとても大切であり、日常の交友において、そのための努力は欠かせません。

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