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.味わい尽きない文化と歴史の玉手箱」

2019年9月13日「金曜日」更新の日記

2019-09-13の日記のIMAGE
のっけからこんなことを言うのも何だが、ヴェネツィアは必ずしも暮らしやすい街ではない
ご存知のとおり、潟のなかに作られた人工の浮島だから、車は入れないし、自転車にも乗れない
ふだんの交通手段は水上バスか徒歩なので、脚が丈夫でない人にはきついところだ
また、誰もが一度は訪れたいとあこがれ、街自体がユネスコの世界遺産に指定されているような観光地だから、ホテルや貸しアパート、不動産の価格も東京並みだ
それでもヴェネツィアには、住人たちが「ウニコ(唯一無比)」と自慢する、ほかでは決して味わえない雰囲気、できない体験というものがあって、昔から芸術家をはじめ、たくさんの人々をひきつけてきた
現在もそれは変わらず、一度はゆっくり滞在してみたいと考える人が、特に欧米の人には少なくない
「ヴェネツィアに住めるってことは、天から降ってわいた幸運よ」開口一番、こう言い切ったのは五〇代後半のアメリカ人女性だ
バカンスで来たヴェネツィアに一目ぼれしてしまった彼女は、子どもたちを独立させると、この街にアパートを借りた
以来、年に二、三度やってきては、数週間滞在していく

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