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建ぺい率違反を理由に契約解除を申し入れてきたが②

2019年5月17日「金曜日」更新の日記

2019-05-17の日記のIMAGE
建物の売買契約締結後、買主が建ぺい率違反であると知った場合には、民法五七〇条の売買の目的物に隠れた瑕疵があるということになり、売主の責任が問われることになります。ただし、買主が違反建築であることを知りながら契約したとか、過失によって知らなかったという場合には、隠れた瑕疵があったことになりませんので、買主から売主に対しての責任追及はできません。ところで、建ぺい率違反の建物を売ったからといって、ただちに買主は売主に対して売買契約の解除ができるわけではありません。違反建築の程度の問題を考える必要があるからです。すなわち、違反建築といっても簡単な修繕をしたり改築をすれば売買契約の目的を達することができるという場合であれば、買主は売買契約の解除はできず、損害賠償請求しかできない場合もあるからです。しかし、違反が重大であり、除去、移転や大きな改築をしなければならないといったケースでは、買主は売主に対して売買契約の解除をすることができるとともに、損害賠償の請求もできることになります。したがってあなたとしては、あらかじめ買主に建ぺい率の点を説明してあるとか、買主が違反を知っていたとか。あるいは違反が軽微であるとかの事情がないかぎり、すでに受領した手付金を買主に返還して契約を白紙にするほかないと思われます。ちなみに建ぺい率三割のところに七割の建物を建築し売買した事案で、判例は売買の目的を達することができないとして、買主からの契約解除を有効としています。

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