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外国の土地を購入後業者が雲隠れしてしまったら②

2019年5月3日「金曜日」更新の日記

2019-05-03の日記のIMAGE
海外不動産の場合、そもそも土地や建物(「動産」「不動産」という区別も国によって仕組みが違います)に対する権利の性質や内容も異なっていますし、公示制度(日本では登記制度)も異なります。そして、それらの売買のための契約の要件、効力も異なりますので、このような法制度や権利関係までも正しく理解、確認してからでないと安心して取引できません。たとえば、フィリピンでは外国人が土地を取得することは制限されていますし、アメリカでは州によって違いはありますが、売買契約を締結しただけでは所有権は移転せず、改めて「譲渡証書(Deeb)」を引き渡すことにより移転することになっていますし、これを市または郡の役所に登録しておかないと、第三者に所有権を対抗できなくなる危険があります。また、譲渡証書の約款の記載内容によっては完全な所有権ではなく、担保ぼや用益権の制限付の権利しか取得できなかったり、土地に瑕疵があっても何も異議をいえない場合もあります。ところで、悪質業者の被害にあったと思った場合には、まず、店入した不動産の所有関係を調査して(TitleSe-arch)、所有権を取得できているか、その内容はどうか、タイトルの登録はしてあるかなどを確認してみれば、業者が他人の不動産を売りつけたか否かがわかります。この調査は、アメリカでは弁護士事務所あるいはタイトル調査会社を通じてやってもらえます。いずれにしても、このような悪質業者の行為は詐欺そのものですので、契約の取消し(民法九六条一項)ができますし、不法行為(民法七〇九条)として損害賠償講求もできます。また、詐欺罪にも該当しますので、早急に会社に限らず、役員や従業員の責任を追及する法的手続きを取るべきです。

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