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モデルルームは「あなたの家」ではない

2018年10月26日「金曜日」更新の日記

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マンション購入を考えたとき、広告の間取りや写真だけでは納得できません。実際にその部屋に立ってみたくなるのが人情というもの。それを現実にしてくれるのがマンションのモデルルームです。つまり、モデルルームを見に行くというのは、そのほとんどの人がマンション購入を考えていると思って間違いありません。それも、ここ『二年のうちにマンション購入を考えている段階と言っていいでしょう。売り手の業者は、もちろんそんなことは百も承知です。だから、モデルルームは予想以上にうまくまとめられている、と考えてください。新築マンションのモデルルームには二通りのタイプがあります。一つは「最も戸数の多いタイプ」を仮設展示場として見せる場合。もう一つは、実際の建物内部に「戸数が多く、なかでも日当りや眺望に優れたタイプ」を使う場合です。前者の場合は、最も戸数が多い=最も売りたいタイプを見せるわけで、買い手の食指をそそるように調度品や仕上げにさまざまな工夫を凝らし、購買意欲を盛り上げています。しかし、仮設で造ったモデルルームは「実際の住戸」ではありません。あくまでもこれは「仮設」のモデルルームです。つまり、天井の高さや梁の出っ張りが実際のものと違っていることも少なくないのです。「わーっ、広い!」と単純に喜んでいては業者の思うつぼ。実際とまったく同じなのか、違うのか、細かく業者に質問しましよう。一方、現物の一室に設けられたモデルルームは、その建物のなかで「条件が一番いいところ」を使っているということを忘れてはいけません。実際に買おうとするものと間取りが違っていたり、実際の間取り。と同じものであっても、位置や階数が違えば条件も大きく違ってきます。日当りや眺望、エントランスやエレベーターの位置、非常階段などはもちろん、室内のコンセントの位置や各部屋の採光、風呂場の位置、天井の高さなど「何かどう違っているか」を詳細にチェックをすることが肝心です。<ケース8>並木良太郎さん(三十七歳)一家は、広告チラシの間取り図を眺めながら、あれこれと想像をふくらましていた時期を経て、週末ともなるとモデルルームめぐりに行っていました。いずれのモデルルームも明るくて広々としていて、素敵なインテリアが設置され、最初のうちはすぐにでも買って住みたくなる気持ちを押さえるのに必死でした。ところが、五、六軒目ぐらいの見学で気がついたのですが、たいてい和室の場合は花が生けてある程度で家具は置かれていないのです。並木さんは、箪笥や鏡台はどこに置くのだろう?と疑問がわきました。そういう目で見ると、モデルルームの家具は比較的小さめな物が置かれ、これは現実的ではないと思いはじめました。それからは、すでに持っている家具をどこに置くかを頭に入れて見るようにしたのです。結局並木さんは九軒目の見学で決めましたが、手持ちの家具の配置や調和を考えた結果だったので、現在はとても満足しているということです。

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