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株の名人

2018年10月12日「金曜日」更新の日記

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私は、人間を“神様”とは呼ばない。人間は神ではないから、神様と呼ばれたその時から、失敗をくり返す。西洋のおかしな神や南アジアの雑多な神様ならいざ知らず、日本の神は万能の具現者であり、完全無欠なものをいう。失敗することなく、未来の先々まで見通すことが出来るし、時代の変化などすでに承知であるから、経済すら成功ばかりする。特に株式の分野であてはめれば、神の買う株は、すべて儲かる。ところが現世ではそんなことはないから、人間が神になることはできない。昔、邱先生を“株の神様”とか”経営の神様”とか言ったが、この表現は不当であり、失敗がないとはいえない先生にはそぐわない。さて、株の名人の先生は、どんな風に私達に株の手ほどきをしてくれるのだろうか。この株が上がるとか、この株は下がるから、買わないほうが良い――という程度なら、テレビや雑誌のアナリストと同じだから、当たり外れの確立の問題にすぎず、予想屋はどこにでもいる。どの職種でも同じだが、成功する人は合理的思考をし、科学的実証をする。表面の経済の流れや、情報量を競うだけではない。大きな社会の動向を見ると共に、政治政策や外交も考慮し、世界を飛び回る投資家の動きを読み、更に最も大切なこと、ちょっとだけ社会の先を読むと共に、株式投資の対象であるその会社の実態を正確に把握することが重要である。先生は、その会社の実績や特質をていねいに調べ上げる。会社見学までして、「この会社は市場の30パーセントの売上げを上げ、ご覧のような新製品もオートメーションで製造し、量産を始めました」「この会社は毎年50パーセントの増収で、中国市場の取引はすべて現金取引です。市場は毎年ふくらむので、この機械はまだまだ需要があり、増収増益が見込まれます」このように現物の会社を見学し、実態と現状を的確に説明されるが、決して「株を買いなさい」とか、「この会社の株は上がりますよ」とかは、言わない。株を買う買わないかは、私達個人の意志であり、自己責任なのである。「今日はA社の株は、0・5上がって、3・6ドルになりましたね。そろそろ限界ですね」、このように一般論や客観論は、いつでも言われてるし、どんな難しい質問や細かい質問をしても、即座に客観的に答えてくださる。横で聞いていて、(えっ、こんなことまで知ってるの?)、といつも感心してしまう。先生のすごいところは、一般現象の先を読むだけでなく、その先の先も読み、それから派生するであろう経済の隙間さえ予測し、予言するところであろうか。次には何々が売れて、その次にこの業種が伸びてくる……だから目立たないこの業界が伸びてきます、など。

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