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未来の日本人

2018年10月5日「金曜日」更新の日記

2018-10-05の日記のIMAGE
先生は義侠心が強い。とても義理堅くて、一度縁を結ぶとどこまでも友を大事にする。明治堅ぎの日本人に近くて、正義感も強い。世の中が軟弱になるのを嫌うし、利己的な人も嫌いである。そこまでが、日本人であり、古稀をすぎた日本人の典形ともいえる。が、この先が違う。利殖にたけた商売人であり、国際交流を意に介さない国際派であり、しかも名文をもってなる文人である。更には、食通をうならせるほどの料理人ときている。では、一口に言ってどういう人か、と言うと、これからも日本人の中で優秀な人材が育つと思われるが、20年後の国際的でかつ個性的な文化人である日本人のモデル”と言った方が解り易い。もし先生に何の前提条件も付さずに「先生は日本人ですか?」と聞いたら、「私は生れは台湾だけど、心は日本人です」と答えるにちがいない。それでは一歩踏みこんで、「先生は日本で生まれたら、どうなってますか?今ごろ、何をしているでしょうか」この質問は余りに現実離れした仮定なので、先生にするべき質問ではなく、私か答えを出した方が良さそうである。もし先生が日本で生まれていたら、最も厳しい勉学に励むので、医学に進んでおられたにちがいない。合理的な考えもするし、医者が肌に合うかも知れない。しかし、それでは私などが出逢う機会もなくなり淋しいので、東大法学部を出てもらうことにしよう。先生のせっかちで気一本の性格からして、大蔵省という堅苦しい世界は性に合わないから、日銀に入ってもらうことにする。そうすれば日銀総裁として、今ごろは敏腕をふるっておられただろう。ただし、あり余るほどの知恵の泉も使えないし、フロンティア精神も発揮できないので、経済の最先端の指南役は、やるチャンスを失っていて、どこかの官僚出の評論家のように、口先だけの経済評論でもしているのではなかろうか。それを考えれば、今の先生かいるのはありかたい。日中経済・日中文化のかけ橋として、我々を適切に結びつけてくださる先生は、得がたい。先生は台湾で生まれ、東大を出ながら、日本のアウトサイダーとして疎外されもしたが、今や日本人の鏡であり、私達を導く伝道師である。経済に真剣に生きる私でさえ、これほどの師を他に見ることはない。外国人と付き合い、仲良くしながら競争し、競り合いながら仲良くする。たぶんこれが未来の日本人の姿だろう。先生は今、それを実践しておられる。

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