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採石場

2018年9月14日「金曜日」更新の日記

2018-09-14の日記のIMAGE
対象不動産は,中部圏に存する採石場です。周辺には,山間部の幹線道路沿いに工場・事業所等が散在しています。敷地規模は100万・程度であり,採石現場・未開拓現場(山林)・敷地内道路・事務所・駐車場等から構成されています。地目は,山林・雑種地・原野・宅地等です。採石は,近隣の大規模なインフラ(飛行場や道路等)の工事に使われている場合があります。採石の種類と当該搬出先となっているインフラとの関連情報を入手し,採石場の石の価値・価格がどの程度のものであるかを,まず第一に調べなければなりません。一般道路に使用される石は安価で,建築の部材に使用される石は高価です。その地区の石のマーケット価格についても知らなければなりません。さらに,石の搬出手段一車なのか船なのか等ーについても確認しなければなりません。①岩石採取計画の認可。・岩石採取」この区域。・採取する岩石の種類および数量。・採取期問。②林地開発についての認可。・事業区域。・土地面積。・開発行為の目的:土石の採取(採石事業)。採石場の評価は,採掘部分と未採掘部分に分けて行います。採掘部分は採石事業に基づく価額を算定するため,取引事例比較法に基づく比準価格により土地価格を算出し,収益還元法(インウッド方式)に基づく収益価格により採石事業一体としての価額を求めます。そして,両価格を調整のうえ,内訳として採石権価格と土地価格を決定します。なお,取引事例比較法については,対象地が平地部分と法面(山林)部分に分けられ,平地部分はさらに市街化区域と市街化調整区域にまたがっていることから,各部分についてそれぞれの価格を求めます。未採掘部分は現状が山林であるため,取引事例比較法による比準価格を適用して土地価格を算出します。採石事業は,一般に採取する岩石等の埋蔵資源を収入源とするものですが,これらの埋蔵資源は減耗資産であることから,収益価格の算定にあたっては有期還元式を適用します。有期還元式には,インウッド方式とホスコルド方式があります。当該採石事業は現在稼働中であり,安定的な岩石等の採取が見込まれ,通常考えられるリスクや新規投資額が少なく,また,当該採掘部分において今後3年間採石事業を行う場合の価格を求めることから,投下資本を安全に運用・回収することを意図するホスコルド方式ではなく,インウッド方式を採用することとします。割引率は,投資額に対して期待される収益の割合であり,採石事業に伴う危険性,不確実性を考慮した利率です。本件では不確実性を考慮した利率ですが,3年間の採石事業に基づく収益価格を求めるため,その危険性は通常より低くなるものと判断し,キャップレートを10%と決定しました。

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