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居酒屋ビル

2018年9月12日「水曜日」更新の日記

2018-09-12の日記のIMAGE
対象不動産は,大阪・地下鉄御堂筋線の「なんば」駅の至近に位置しています。近隣は中層の飲食店が建ち並ぶ歓楽街です。一般に,店舗の経営が行き詰まったり,跡継ぎがいない場合等に売り出されるケースがあります。また,老舗の店舗では,馴染み客が年を重ね,次世代の顧客に受け継がれていかない場合に,売上げが減少してしまうケースがあります。本件は,ある大手チェーン店が,その老舗の飲食店舗(居酒屋ビル)を買い取る場合の評価です。建物は築40年以上であり,取り壊すことも視野に入れますが,建物に営業権的な価値が生ずる場合もあるため,土地・建物一体としての評価を行います。評価のポイントになる点は次のとおりです。・建物の価値をどのように見るか。・一棟借りであるため,賃料水準をどの程度に設定するか。築40年ですが,老舗であり,建物の構造等に歴史的な価値があります。チェーン店は内装等が全店で統一されているため,その改装・改修費用も考慮しなければなりません。賃料水準も,老舗・一棟貸しという個性を反映する必要があります。また,大阪では,敗金等が東京に比べて高くなる場合があります。基本的なキャップレートは8%程度ですが,建物の築年数および改修費用のリスクを考慮して,グロスのキャップレートを10%と決定しました。居酒屋は一時ブームになり,チェーン店問の競争も激しいものがあります。経済全体は良くなってはいるものの,居酒屋の主な利川者は可処分所得が減少しているサラリーマンであるため,その経営には不安要因があることも考慮しなければなりません。

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