へやいろシーン

トップ > 平成30年9月> 10日

設計住宅性能評価一設計図書にすべてがある

2018年9月10日「月曜日」更新の日記

2018-09-10の日記のIMAGE
住宅性能表示には2つの表示があります。1つは、設計時の性能を表している「設計住宅性能評価」、そしてもう1つは、実際に建ち上がった住宅の性能を表示する「建設住宅性能評価」です。日本住宅性能表示基準の内容は、ほぼ設計住宅性能評価の時点で網羅されています。建設住宅性能評価は、設計住宅性能評価の内容が正しく実現されているかどうかのチェックをしたものといってもいいでしょう。住宅に限らず建築物の性能は、ほぼ設計段階で決まってしまうのです。もちろん、実際の性能や機能は建築をおこなう大工さんや職人さんの技術によります。稀には、建築士の設計を無視して大工さんがもっと美しくて使いやすい部分をつくってしまうことがあるかもしれません。しかし、通常は良くて設計図にある内容が実現されることになります。「良くて」というのは、多くの場合は、設計者の意図どおりの工事がおこなわれることが少ないからです。住宅建築は現場でおこなわれます。つまり、大工さんや職人さんの技術がともなわないと、設計図の内容が誤解されたり、理解していてもそのとおりに釘が打てないとか、土台の水平を出せないとかの問題が生じます。コンクリートの養生など、設計段階では可能だと思ったことが、工期が遅れたりしてできなくなることもあります。つまり、理想的な建設工程を予定している設計図書の段階に想定した性能が高くても、そのとおりの性能はなかなか出せないというのが現実です。ということは、設計段附の性能がその住宅の最高の性能だということになります。最初にすべてが決まってしまうのです。これは重要なことです。日本の在来木造住宅では、設計図書がきわめて貧弱です。設計図と仕様書でほとんど決まるにもかかわらず、その設計図書の内容がほとんどないのです。それが次の問題です。

このページの先頭へ