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「日本住宅性能表示基準」で家を選ぶということ

2018年9月9日「日曜日」更新の日記

2018-09-09の日記のIMAGE
評価項目を決めることと、その評価基準が難しい問題であることは、これまでの説明でおわかりいただけたと思います。そして、「日本住宅性能表示基準」というものの性質がおわかりになったと思います。この基準は「第一歩」です。また、住宅の価値全体をあますところなく評価できる基準でもありません。これから何年かかけて、次第に完成に近づいていく基準だといっていいでしょう。では、未完成の基準では具体的な家選びに使えないかというと、そんなことはありません。何度も申しますが、今回の基準には早く直さないといけない部分があります。何よりも、基準の内容について、もっと国民的な議論もおこなわなければなりません。しかし、日本住宅性能表示基準という客観的に評価できる項目で、住宅を初めて評価できるようになったのですから、それを使わない手はありません。一方で誰も使わなければ、制度は全く進歩しません。使っていくなかで、足りないところ、不便なところ、間違っているところを直していくことが可能ですし、またその価値があります。そのためには、多くの人が使い、修正をしていかなければなりません。さらにいえば、本当に国民が納得できる基準をつくるためには、今の日本住宅性能表示基準に対抗するいろいろな視点からの提案が、事業者から出てくることが望まれます。消費者が要望を出すためには、もう少し社会に多様な選択肢が必要です。「基準」がいろいろ出てきて、これが市場で競争するなかから、皆がより納得し、使いやすい評価基準が出てくることが期待されるのです。この視点から少し先走って述べれば、今のように評価機関がそろって「日本住宅性能表示基準」を使う状態はまだまだです。もっとよい「基準」を提案して、積極的に評価の範囲を広げ、深めることを、評価機関が先導していくことが望まれます。

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