へやいろシーン

トップ > 平成30年9月> 7日

住宅を買うために必要な知識を考える

2018年9月7日「金曜日」更新の日記

2018-09-07の日記のIMAGE
それでは、どうしたら自動車と同じように住宅を買えるようになるのでしょうか。それは、社会的に多くの人が認める住宅の価値をはかる基準をつくることです。これは、住宅性能表示制度の当初の目的でした。こう書いても、いったい住宅の価値をはかる基準とは何か、と考える方が多いに違いありません。人がモノを選ぶときに、このモノの選択基準は何か、などとあまり分析的には考えないものです。しかし、住宅については、基準そのものがないらしいのですから、ここは少し分析的に考えてみる必要があります。それでは、住宅の価値をはかる基準とは何でしょうか。『住宅価値を生む目的』良い住宅かどうかを判断する場合、何を住宅に求めるかによって評価が異なることがあります。たとえば、通勤の便を考えたときには都心に近い鉄道駅の近くが良いはずですし、子供の教育のことを考えれば、郊外の有名中学校の近くが良い環境だったりします。これは住宅の立地を判断する場合の条件ですが、住宅を購入する場合には、さまざまな目的があります。最小限の目的は、雨露をしのぐためでしょう。最も漠然とした目的は、良い住生活をおくるためということになりますが、こうなるとそのために何をどう判断してよいかわからなくなります。つまり、「良い住生活」とは何かをはっきりさせることが、良い住宅を手に入れる最初の条件となります。立地を重視するのであれば、良い住生活とは生活圏が自分にとって好ましいことです。家の中で快適で楽な生活をしたいのであれば、住宅の物理的な性能や機能が重要となります。人をたくさん呼んで賑やかに暮らすことが目的で家を建てる人もいます。ここでは、その暮らし方を実現する住宅の間取りや交通の便という環境が問題となります。なかには、田園調布に暮らすことが「良い生活だ」と考える人もいます。確かに、田園調布には美しい街並みや静かで豊かな生活をおくれる条件がそろっているかもしれません。田園調布というイメージが、ある種の機能や環境を代表しているのです。さらに、将来に備えた住生活ということも考えられます。住宅を購入したり新築することが、将来に備えた「投資」であることがあります。建てた家が将来、十分な価格で売れたり、生活費に見合うだけの家賃収入を得る手段となれば、退職して会社から給料をもらわないようになっても、現在の生活を維持することができます。ここでは、将来の憂いなく過ごすことが良い住生活となります。このようないろいろな良い化生活を実現する住宅が良い住宅であり、住宅の持つ価偵は、その生活実現の手段となる立地や物理的性能、機能によって判断されることになります。

このページの先頭へ