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保険によるリスク回避

2018年9月3日「月曜日」更新の日記

2018-09-03の日記のIMAGE
 土壌・地下水汚染を起こした場合、その修復のために多額の浄化費用を負担せねばならず、さらに地域住民の健康被害が生じたり、他人の不動産へ損害を与えたりした場合には損害賠償責任が課せられる可能性がある。また、 不動産の売却・購入にあたっても、土壌汚染リスクが不動産取引の阻害要因となっている。この阻害要因をとり除くために、または不動産にかかるリスクマネジメントの一環として保険商品を購入するのも1つの方法であり、その内容、活用の仕方を検討しておきたい。そして、その保険商品の購入が有利であれば、保険の活用も有効なリスクマネジメントの手段となる。  ただし、保険はたまたま事故を起こしてしまった企業の損害を保険加入者がみんなで負担するという構造がなければ商品としてなりたたない。したがって、あくまでもいま土壌汚染がないということが前提となり、土壌汚染のあるサイトの浄化費用を安くするものではないことを改めて確認しておきたい。つまり、保険に加入するのもリスクが発現する前の、事前のリスクマネジメントなのである。 ●賠償責任保険  日本でも保険会社による土壌汚染浄化費用等の保険商品が発売されている。 1992年に、2社が「環境汚染賠償責任保険」をともに発売したのが先駆けである。この保険は産業廃棄物処理業者を対象として、土壌汚染により発生する広範囲な損害に基づく賠償をカバーしている。一定の条件のもとに、突発的な汚染事故も非突発的な蓄積性汚染も対象になり、コンサルティングサービスも提供している。その他にこの環境汚染賠償責任保険のメリットとしては、以下のようなことがあげられる。 ①高額の賠償資金を保険会社が第三者の立場で補償する。 ②環境保険に加入した土地は客観的に一定の安全性の保証がされているため、周辺住民にとって安心できる。 ③行政命令による土壌汚染等の汚染浄化費用も保険の対象となる。 ④訴訟、和解などで支出した弁護士費用も補償される。

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