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不動産ストック

2018年8月30日「木曜日」更新の日記

2018-08-30の日記のIMAGE
さて、不動産の市場化の話とは離れますが、もう一つ、不動産ビジネスの競争を促している重要な要因があります。それは、戦後50年以上が経過し、日本の「不動産ストック」(過去からの資産の積み上げ)が充実してきたことです。住宅にしてもオフィスにしても、かなり前から量的には充足されていましたが、バプル期前までは、質的には必ずしも十分ではありませんでした。一つの理由として、土地神話の影響で土地価格が高くなりすぎて、都心部で多くの住宅を販売・賃貸できなかったということがあるかもしれません。オフィスビルについても、高い建設費を含め、同様のことがいえるでしょう。理由はともあれ、質的な面まで含めて考えると、不動産ビジネスはこれまでは実質的には供給不足の環境下にあったといえます。しかし、バブル期に多くの良質なオフィスビルが建築され、その後は地価と建設費の下落に伴い、大量のオフィスと住宅が比較的立地条件の良いところに、手頃な価格・賃料で供給されました。これからは、一定のグレードを兼ね備えたビルや住宅がすでに存在している中で、新たにピルが建設され、住宅が販売(あるいは賃貸)されることになります。こうした意味でも、不動産ビジネスはこれまで以上に競争激化の環境下に置かれるといえるでしょう。

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