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利用価値による不動産評価の普及

2018年8月24日「金曜日」更新の日記

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第2の変化は、不動産が利用価値によって判断されるようになったことです。土地神話が生きていて、毎年、不動産価格が大きく上昇するのであれば、利用価値にこだわる必要はあまりありません。仮に、ある土地(時価1億円)にアパートを建設(建設費5000万円)すれば、年間500万円の利益を得られる見込みがあるとしましょう。逆からいえば、年間500万円の利益を得るためには、建設費の5000万円をどこかから調達してこなくてはならないし、この事業が失敗するリスクを取らねばなりません。一方、地価の上昇率が年間8%であれば、土地の所有者は何もしなくても1年間で800万円の利益を得ることができます。そうであれば、土地の所有者はあえて何もせずに、更地で持ち続けた方が得だと考えるでしょう。建物を建築してしまうと、土地を売るときに、更地価格から建物の取り壊し費用をマイナスした価格でしか売れなくなる恐れがあるからです。このように土地神話が生きているときには、不動産の利用価値が軽視される傾向が生じるのです。しかし、地価が上昇することもあれば、下落することもある今日では、地価上昇に過大な期待をかけることはできなくなりました。土地を持っているだけでは何の利益も生まないかもしれません。そこで、土地をどのように活用して利益を上げていくかが、重要なテーマとなってきたのです。実際、オフィスビルなどを建設できる商業地の地価は、上昇するところもあれば下落するところも生じており、利用価値に応じて地価の二極分化が進んでいます。

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