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不動産ビジネスを取り巻く環境の変化

2018年8月23日「木曜日」更新の日記

2018-08-23の日記のIMAGE
バブル崩壊後の十数年間で起きている不動産ビジネスを収り巻く環境変化について、土地神話(土地は価格が上がり続ける有利な資産であるという考え方)の崩壊に伴う「不動産リスク」の顕現化です。本来は不動産を保有すれば、値下がりによって損失を被るリスクがありますし、建物を持っていれば、地震や火災などによって崩壊してしまうリスクもあるはずです。また、賃貸アパート経営などの不動産事業をしようとすれば、当然ながら事業リスクがあります。ところが、これまではこのようなリスクがあって、万が一それが現実のものとなっても、土地の価格が大幅に上昇していたため、これらの損失をある程度までは吸収することが可能でした。値上がりした土地を売却すれば(実際には売却しなくても土地の値上がり益を計算すれば同じことになります)、大抵の損失は穴埋めできたからです。もちろんリスクが顕現化しなければ、不動産の購入者は地価上昇によって大きな利益を得られたわけですし、このようなケースの方が圧倒的に多かったのはいうまでもありません。恒常的な地価上昇が、不動産リスクを隠してきたといえるでしょう。しかし、現在では土地神話の崩壊によって、これまで隠れていた不動産リスクが顕現化するようになりました。「会計ビッグバン」(会計制度の大幅な見直し)によって、企業の抱える不動産の含み損(例えば時価50億円、簿価100億円の不動産は50億円の含み損となります)の一部を強制的に損失処理しなくてはならなくなったことも、不動産リスクを強く認識させる要因となりました。

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