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押し入れを取りはらう

2018年5月27日「日曜日」更新の日記

2018-05-27の日記のIMAGE
 日本のように四季のある国では、季節によって使うものがちがいます。昔は納戸があって、出し入れが楽だったのですが、最近は納戸が姿を消しつつあります。  京都では、季節によって建具まで入れ替える家がありますが、そうした心は残したいですね。せめて敷物やカーテンなどを、夏と冬は替えて、季節感を味わうゆとりがほしいものです。  納戸のほかに、日本の収納といえば押し入れです。家を建てるときに、主婦がいちばん気になるのは、押し入れがどれだけとれるか、ということです。押し入れがたくさんあると、それだけでもう収納はだいじょうぶ、と安心してしまうようです。でも、押し入れは万能でしょうか。  収納を整理してみると、押し入れはなくてもいいと発想する人もいます。ベッドにすれば、ふとんをしまう場所もいりません。  日野市の金子さんのお宅も、リフォームのさいに押し入れを取りはらい、そのかわりに納戸を設けました。  ダイニングルーム側の壁には、奥行き30センチと、奥行き10.5センチの収納棚をつくり、玄関側の壁寄りにパイプを2本渡しましたから、ウォークインクローゼットにもなります。  シンプルですっきりした造りになりましたが、思いがけない効果もありました。金子さんのご家族はみなさん、この納戸を着替えの場所として利用されているのです。とくに帰宅後、なにはさておき、ここへ直行し、外出着から室内着に着替えます。「外でのほこりを、できるだけ早く落としたいのです」と奥さまはおっしやいます。  私の知りあいのご主人に、帰宅するとすぐコートや背広は手近のイスの背にかけ、洋服ダンスの外からもどったら納戸に直行、着かえの場にもなるハンガーにしまうのは奥さまの仕事、という方がいますが、こういう納戸があれば、イスの背に衣類をかけておくむさ苦しさも解消されることになります。  ところで、家具というものは、住む家の空間にあわせ、大きさや色をきめて選ぶものです。こうした基本はだれでも知っているはずです。それなのに、リフォームなどでいつも問題になるのは、いわゆる婚礼セットなるものです。多くの場合、部屋に対して大きすぎ、寝室におさまりきれず、リビングルームなどにおいている家が多いようです。  これは結婚がきまった時点で、住む家の大きさを考えず買ってしまう弊害で、邪魔とわかっていても捨てるに捨てられず、婚礼道具が終生、その人につきまといます。3点セットを買う場合は、とりあえず目録だけにし、実際に住んでみて、その家の寸法にあうものを選びましょう。  いずれにせよ、家具を選ぶときは、各メーカーのショールームに何度も足を運び、気にいったものを見つけるまで探しましょう。

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