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みんなで家事をする家

2018年5月13日「日曜日」更新の日記

2018-05-13の日記のIMAGE
 「建て替える前のわが家の朝は、まるで戦場のようでした」  座間市の渡辺ひかりさんは、虎ノ門にある職場に通うキャリアウーマンです。ご主人、短大生、高校生、中学生の娘さんと、小学生の男の子の6人家族(当時)が、朝食を終えると、全員が通勤や通学のための準備にとりかかるからです。  トイレと洗面台がひとつだったため、トイレ戦争とドライヤーの奪いあいがおきます。キッチンや洗濯場は1階、子ども室は2階なので、階段を昇ったり降りたり、そのあいだをぬって、ひかりさんが洗濯ものを干しに、2階のバルコニーに走ります。雨模様の日などは、洗濯ものを干していいやらわるいやらと、階段の途中で考えこんでしまい、それがまた、戦場に拍車をかけます。  リビングルームに干したまま会社へ出かけ、帰宅後も生かわきの洗面ものの下で、味けない食事をしたこともあったそうです。  家のなかの仕事には、「家事」のほかに、自分自身の身のまわりの管理をする「自事」があります。近ごろの子どもたちは、この自事がなかなか できません。いっぽう、家事のほうも洗濯や掃除はもちろん、料理やあと片づけも、お手伝いというかたちではなく、いっしょにやってこそ、子どもたちもやりがいがあるというものです。  ひかりさんが家の建て替えを思いついたのも、みんなで家事をする家をつくりたかったからです。  建て替えにあたり、現在の住まいのなかで家族がどう暮らして、なにを考えているかを知るために、私は日曜日ごとに渡辺家に出かけて、一人ひとりとお話をして、いっしょにプランづくりを考えました。  まずキッチン。ジャンボシンクにして、2つの蛇口をつけました。 1人が洗い、1人が調理と、2人並んで水が使えます。背面に家電製品置き場と配膳カウンターがあり、スペースを広くとったので、作業中の行き来が3人でもじゅうぷんです。  キッチンの動線上に家事室があり、シャンプー洗面台、洗濯機、下洗い用のジンクが並びます。 反対側の作業カウンターでは、アイロンがすぐ使用できます。さらにその動線上に、屋根つき物干し場のサービスヤードがあり、雨を気にせず、いつでも洗濯ものが干せるようになりました。  以前は電灯をつけて朝食をとっていましたが、日当たりのいい2階をLDKにした逆転プランなので、いまでは朝日をあびて食事がとれます。洗面室やトイレは1階にもあり、1階の洗面ボウルは2つあるので、朝の戦争は終わりました。  「ただいま、と子どもたちが帰ってくると、学校の道具を自分の部屋において、全員が2階の明るいLDKに集まり、自然に家事に参加するようになりました」(ひかりさん)

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