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食事室の考え方

2018年5月12日「土曜日」更新の日記

2018-05-12の日記のIMAGE
 食堂は東側がいいか、西側がいいかと聞かれることがあります。子育て中の家庭なら、朝食を朝日をあびながら、家族全員でいただければ、1日 のスタートも元気よく迎えられます。  いっぽう、子育てが一段落した夫婦が、西の窓から暮れなずむ夕焼けをながめながらとる夕食は、なんだかトクしたような気持ちになります。  現在の生活にあわせて、食堂の位置を考えればよいと思います。将来、ライフスタイルがかわったら、そのときはまた考えるぐらいの気持ちでよいのではないでしょうか。  食堂の照明は、食卓の上だけを照らすペンダント照明をおすすめします。それもぜひ、白熱灯を選びましょう。白熱灯は蛍光灯とちがって、トマトやきゅうりなどの野菜や肉の色を自然に見せてくれます。食事は、ただお腹を満たすだけのものではありません。会話やふんいきも料理の味のひとつです。できれば、100ワットはほしい。食事をするときは、天井の照明を消して、ペンダントだけにしましょう。ずいぶん気分がかわります。  家具の寸法はW(幅)XH(高さ)XD(奥行き)という3つの寸法で表わされます。そして、イスにはもうひとつ、SHという寸法表示がつきます。 これはシートハイ、つまり座る部分の高さです。 イスのSHはたいてい44~48センチです。  レストランで食事をするときは、この高さでいいのですが、家庭では座が高すぎて、食べにくいはずです。これは靴の関係です。私たちは家のなかでは靴をはきません。イスの寸法を測るときは、靴をぬぐのをお忘れなく。  私の家では、食卓用イスが6脚あります。全部ちがう種類のイスです。夫用、私用、息子用と、自分で気にいったイスをそれぞれ選んで、自分の身長にあわせて脚を切ってもらいました。深く腰をかけても、両足がベタッと床につく高さです。  5点セットとか7点セットとかと、家具売り場ではテーブルとイスがセットで販売されていますが、あれはわかりやすいように便宜上組みあわせてあるのであって、よく見ると、テーブルもイスもひとつずつ値段がついています。「セット」に惑わされることなく、イスもひとつずつ選んで購入してもかまわないのです。  ところで、対面式キッチンは、食堂側からはシンクの中のゴチャゴチャが見えないのでぐあいがいいのですが、配膳カウンターの上の吊り戸棚は食堂側から見ると前面になります。食事中は、けっこうこれが気になります。  これを逆に楽しんだのが、東京の岡野さんのお宅です。ジンクの上の吊り戸棚をやめて、天井にピクチャーレールを取りつけ、観葉植物を吊るしたのです。目線は吊り戸棚ではなく、観葉植物になりました。岡野さんのお宅は都心にあるため、植物や花が大好きな奥さまが、室内にもグリーンを、と発想された結果です。  この観葉植物は、ときどき装飾的なデザインカーテンにかわります。食事のときの照明は、食卓の上のペンダントと、壁に取りつけたブラケットだけをともします。ペンダントの光がカーテンを下から照らして、ますます食事時間が長くなったと奥さまはいいます。自分の住まいです。既成概念にとらわれないで、自分流を楽しみましょう。

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