キッチンの基本、シンクの知識
2018年5月11日「金曜日」更新の日記
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- キッチンセットのことを「流し台」といってきたように、流しシンクはキッチンの基本です。
それだけに、シンクの選択はじゅうぷんに考えてみる必要があります。
シンクの材質で代表的なものに、ステンレスと鋳物ほうろうがあります。ほかに、樹脂製(プラスチック)のものもありますが、あまり一般的ではありません。
ろアンレスは傷がつきにくく、あるていどの弾力性もありますので、食器を落としてもこわれにくいなどの利点があり、そのためにもっとも多く使われています。
鋳物ほうろうは、赤や黄など色彩が豊富で美しいのですが、傷がつきやすく硬いだめに、食器をぶつけたり落としたりすると、食器がこわれてしまいます。それに金属に弱いため、さびにも気を使います。そこで、ゴムのマットやすのこを使うのですが、そうすると今度は、ヌルヌルの心配をしなければなりません。鋳物ほうろうは、主シンクではなく、パーティーシンク(サブシンク)など、もうひとつのシンクとして利用するのがよいでしょう。
シンクを選ぷうえで、素材とともに考えたいのが形です。そのとき、まず迷うのが、シングルかダブルかという点だと思います。
これまでシシグルを使っていた方なら「システムキッチシにするなら、シシクはダブル」という夢をもっておられるでしょう。でも現実には、ダブルにして失敗したと思っている方がほとんどですから、注意しましょう。私たち日本人は、よく洗い桶(ボウル)を使いますが、ダブルシンクを選んだのなら、この桶を絶対使わない、という信念をもたなければいけません。なぜなら、小さいほうのシンクが洗い桶になるからです。信念をもてない人は、ダブルにしないほうがいいのです。
つぎにジャンボシンクですが、このシンクは幅が90~100センチくらいあるものをいいます。共働きの夫婦や、子どもたちといっしょにキッチン仕事をする家庭にもっとも適しているようです。けれども、数人で料理をつくったり、食後の洗いものをすると、蛇口がひとつでは不便です。ジャンボシンクは、蛇口を2ヵ所につけてこそ、はじめてその役割をはたします。
さて、前項でワークトップの説明をしましたが、現在市販されているもののワークトップの高さは85センチが主流です。
10年前までは80センチが中心でしたが、システムキッチンが85センチで売り出され、それに一般のキッチンも影響されたようです。
日本女性の平均身長が伸びたことが考慮されてのことでしょうが、すべての方がこれでいいというわけにはいきません。たとえば、私の身長は、154センチで20年前と同じです。私にとって、85センチは高すぎます。使いにくいのです。
ワークトップの上にまな板をのせるので、そのぶん4センチほど高くなります。いつもやわらかいものを切るわけではなく、ごぼうやかぼちゃなどの
ように、力を入れなければならないものもあります。コンロで煮ものや揚げものをつくっているときは、背伸びをしないとよく見えません。ビルトイン(組みこみ式)のコンロは、ワークトップからさらに4~5センチほど五徳があがっています。
ぐあいのよいワークトップの高さは、身長155センチ以下の人は80センチ、155~165センチの人は85センチ、165~170センチの人は90センチとなります。
私の家のキッチンは、コンロ面を調理台の面からちよつと下げて、75センチにしています。チャーハンなどの炒めものをつくるときは力が入れやすいし、ハンバーグなどをフライパンでひっくりかえすときにも、とても楽にできます。
システムキッチンのメーカーも、ワークトップの段差式のものを加えはじめました。
ラーメン屋さんにいったとき、カウンターから調理台をのぞいてごらんなさい。コンロの部分が、コンロ面は一段下げるシンク面より一段、下がっているはずですよ。
反対に、調理台は高いほうが洗いものをしたとき、腰が痛くなりません。
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