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動きやすいキッチンレイアウト

2018年5月10日「木曜日」更新の日記

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 材料を洗ってから切り、そして煮る。これはふつうに考えられるキッチンの流れです。作業手順はシンク→調理台→コンロの順序になりますが、おそばをゆでるときはシンク→コンロ→ジンクとなり、きんぴらごぼうではごぼうを水にさらすという行程がはいるので、シンク→調理台→シンク→コンロとなります。  料理は材料の種類や方法によって、むく、洗う、炒める、切る、蒸す、さらす、揚げる、煮る、焼く、おろす、とひとつひとつがまちまちです。 キッチンの動線が長いと、おなべをもって走らなければなりません。  キッチンのなかでの、そのような動作をよどみなくすすめるためには、移助は横歩き2歩まで、シンクとコンロの間隔は60~90センチ、ということになります。  調理台の幅をたくさんとりたいときは、I列型(I宇型)ではなく、折り曲げてL字型にしたり、2列に並べた並列型、U字型にします。並列型やU字型はうしろにも向きをかえなければならないので、2歩どまりにします。ジンクが前面で、コンロが背面という配置は、水だれの問題をおこします。狭いのも困りますが、キッチンの場合は広すぎるのも好ましいことではありません。  また、コンロの位置は壁ぎわが多いのですが、これだと壁ぎわのコンロに中華なべがのりません。 せっかくハイカロリーバーナーを取りつけても、なべがのらないのではなんにもなりません。コンロは最低15センチ壁面からはなして取りつけます。これは防火のためにもなります。  キッチンのカタログを見ると、ワークトライアングルという言葉が頻繁に出てきます。これは、シンク・コンロ・冷蔵庫の3点を結んだ作業線のことをいいます(1950年代にアメリカのコーネル大学が提唱したもの)。現在の作業線は、この3点の寸法の合計が3.6~6メートルということが基本になって、レイアウトされています。  しかし、実際に料理をしたことのある人ならおわかりでしょうが、料理作業というのは「料理を器に盛りつける まで」ということが必要で、そのためには、食器棚や配膳台をもうひとつの要素として、取り入れる必要があるのではないでしょうか。  そこで、私は3点+1点=4点のワークスクエアとよびたいと思います。シンク+コンロ+冷蔵庫+食器棚・配膳台の四角形です。  ワークスクエアも、ワークトライアングルと同じ3.6~6メートル以下。良すぎる作業線は、使いにくいばかりです。  ところで、ワークトップというのは、キッチンの甲板のことです。耐久性や使いやすさ(少々の荒っぽい扱いにも耐える)からいうと、ステンレスがいちばんです。  美しさ、色あいからいえば、人工大理石、メラミン板があげられます。そのほか、タイル、天然大理石、御影石などがありますが、表面が硬すぎたり、値段が高かったり、水を多く使う日本の食生活にはおすすめできませんので省きます。  価格は高いほうから人工大理石、メラミン板、ステンレスの順です。  メラミン板は、合板またはパーティクルボードにメラミンシートを張ったもので、ポストフォームともいわれ、色の種類が豊富です。システムキッチンが出はじめたころは、ほとんどこのポストフォームでしたが、水や熱に弱いということで、人気は後退しています。  メラミンシートに包丁で傷をつけると、そこから水がしみて、中の合板がプクプクになりますし、沸とうしたやかんをうっかりのせると、焦げてしまいます。  では、ポストフォームはワークトップとしては不適当かというと、そういうわけではありません。 まな板で材料をざっと切るだけで、なべに入れてオープンで料理をし、食卓で取り分ける、という食生活であれば、耐久性をあまり考えなくてもよいことになります。

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