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CO2を排出しないベンツの燃料電池車

2018年4月25日「水曜日」更新の日記

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 1997年9月にダイムラー・ベンツが発表した燃料電池車NECAR3は、自動車関係者のみならず、多くの人びとを驚かせた。  燃料電池車とは、次世代代替エネルギー燃料電池を駆動力とした、まさに21世紀の自動車だ。現在の自動車は、住宅、ビル、ホテルといった建築物に次いで多くCO2を排出するが、燃料電池車はCO2を排出しない。そんな自動車をダイムラー・ベンツは2004年に量産化、つまり一般向けに販売するというのだ。そして今や、アメリカのGM、フォード、ドイツのBMW、そして日本のトヨタ、ホンダも開発して量産化を計画している。  自動車産業の燃料電池をめぐる大きな変化は、今後あらゆる産業界をまきこむことになるだろう。そうなれば、今まで燃料電池普及の壁になっていたコストの高さは徐々に改善され、一般民生用として住宅などにも普及すると思われる。  ところで、この燃料電池とはどのようなものか少し解説しよう。  ご存知のように「水」は水素と酸素の化合物だ。燃料電池は、水素と酸素が反応して水ができるプロセスで発生するエネルギーを電気に変換するものだ。これを利用した自動車、つまり燃料電池車から排出されるものは水だけ。C02やその他の有害物質はいっさい出さない。しかも発電効率が高く、騒音も小さい。まさに、環境負荷の面でも高く評価できる技術革新なのである。  ダイムラー・ベンツの環境配慮はこの燃料電池の導入以外に、リサイクル率の高さ、有害化学物質を生産時から極力使わないなど、トータルに実践されている。ドイツのBMWもこの点においては、きわめて高いレベルにある。  ダイムラー・ベンツのユニークな点は、パラプロジェクトの実践にもある。このプロジェクトはアマゾン流域でとれる農作物から自動車に使えるものを加工・利用し、部品をつくるというものだ。  たとえば、ココナツ繊維からヘッドレストやシートクッションをつくったり、亜麻から室内ドアパネルをつくるなど、天然素材を有効利用している。これなども生産から廃棄までのトータルな発想によるものづくりといえる。

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