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一歩進んだエコロジー建築を

2018年4月24日「火曜日」更新の日記

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 「私たちの父の世代は環境破壊をし、「森の死」をくれた。このため、私たちは森を失いかけ、水を失いかけ、さらには健康さえも失いかけた。私たちの世代は子どもたちに何が残せるか? 私たちが真剣に自然環境のことを考えて行動しなければ、もっとひどい世の中を子どもたちに残すことになってしまう。私は子どもたちから尊敬される仕事がしたい」  ドイツでエコショップを経営するマルティン・ホルティン氏は語る。環境問題は30年ぐらいの単位で考える必要がある。彼が言うとおり、父親世代の取り組みが子どもたちの世代に大きく影響する。現在の環境破壊もすべて1970年ごろの意思決定に起因している。  だから、現在各国でおこなわれようとしている数々の取り組みの成果は、30年ぐらいあとにようやくあらわれるだろう。まだ小さい子どもたちの顏を見てほしい。彼らに何を残せるだろうか。  ドイツはよく環境先進国と形容されるが、この国も1970年代には大気汚染や数々の公害で悩んでいた。1980年には「森の死」という本が出版されている。これは酸性雨による森林破壊について書かれたもので、大気汚染ならびにその原因を指摘している。  この「森の死」によって環境破壊の進行に対する国民の意識が高まり、ドイツの環境問題は新たな段階に達した。そして1983年の選挙で緑の党の大勝利を導いたのだ。こうして生まれた新しい保守=自由連合の連邦政府は汚染者負担の原則を強化し、排気ガスを根本から削減するため大規模燃焼施設規制令を通過させた。  ここで少し「緑の党」について触れておこう。緑の党は1980年1月、全国政党として設立され、市民運動関係者の若者層のあいだに支持を広げ、1983年の選挙では5%以上の議席を獲得した。1999年にいたっては、緑の党は完全な勝利を収め、与党にとってなくてはならない政党となった。  ドイツは国民の環境意識が高いため、票を取るためにも環境政策は欠かせない。ドイツの政治の中心ともいえる緑の党は、①エコロジー、②社会性、③底辺民主主義、④非暴力をキーワードとし、エコロジー的ヒューマニズムを理念としている。  スウェーデンやドイツが環境先進国といわれるのは、政治レベルで環境政策に取り組んでいるからだ。そしてこの政治を動かしているのは、国民の環境に対する意識の高さ、企業の環境への取り組み姿勢にある。

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