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環境認証を受けたホテル「エコテル」

2018年4月23日「月曜日」更新の日記

2018-04-23の日記のIMAGE
 「ハイアット・リージェンシー・スコッツデールーホテルは、エコテルの代表であり、エコテル最高の5グローブを取得しています」  このように語るのは、HVSエコサービス社副社長のクリストファー氏。エコテル(ECOTEL)とは、ニューヨークを本拠地とする環境コンサルティング会社HVSエコサービス社が独自に設定したもので、環境基準を満たしたホテルに対して与えている認証であり、いわばエコラベルのホテル版である。  エコテル認証にあたって監査基準となるのは、つぎの5項目だ。①固形廃棄物の管理、②省エネ、③節水、④従業員教育とコミュニティ(ホテルが立地する地域)への参加、⑤環境保護法の厳守。これら5項目についてきびしい審査がおこなわれ、各項目ごとに認証される。前出のハイアットーリージェンシー・スコッツデールはこの5項目をすべてクリアしているのだ。  ところで、環境認証というと、ISO(国際標準化機構)によるIS014000を思い浮かべる人が多いと思う。IS014000の認証には大きく分けて、①水質、②大気、③振動、④騒音の四項目がある。こちらは資源の有効活用・リサイクルを視点にしており、結果としてコストダウンを図り、地球環境に貢献しようとすることがその主旨である。  これに対してエコテルはあくまでホテルに対象をしぼっている。また、そのユニークなところは、認証項目に、④の従業員教育とコミュニティへの参加が含まれていることだ。  環境を改善するには人間の努力が必要だ。しかも1人よりも2人、3人よりも3人というように、より多くの人びとが環境改善行動を実行すれば、より大きな成果が得られる。このため、エコテル認証には従業員全員に環境教育をほどこし、全員が環境改善に努めることが必要とされている。  さらにコミュニティ(地域)への参加はまさに環境問題のカギである。この点についてクリストファー副社長は、「ホテルというのは宿泊客に対して最高のサービスを提供し、適正な利益をあげるのは当然ですが、しばしばホテルの周辺住民に対して迷惑をかけているものなんです。しかし、それでは周辺住民から支持されません。エコテル認証にこの点を入れたのは、地域への環境配慮の実践と周辺住民の理解と協力を求めるためです」と言う。  まさに、環境配慮を広い意味で実践しているホテルのみが与えられる認証がエコテルなのである。日本では、あまりアメリカは環境先進国として紹介されていないようだが、現在のアメリカには、レベルの高い環境への取り組みを実践する自治体、企業、住宅、ホテルなどが増えているのだ。  ここではグリーン・ディベロップメント、エコテルなど、そのごく一部しか紹介できないが、地域の環境や生態系をいかに良質なものにするか、他にも数多くの取り組みがおこなわれている。私たち日本の21世紀を考えるとき、大量生産・大量廃棄のシンボルとしてのかつてのアメリカをまねするのではなく、現在のような環境面において進んだアメリカに学びたい。

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