へやいろシーン

トップ > 平成30年3月> 21日

見せかけの豪華さにだまされるな

2018年3月21日「水曜日」更新の日記

2018-03-21の日記のIMAGE
 現在の住宅は、プレハブメーカー、不動産業者などがつくっているわけだが、奇抜なデザインを追求して注口を引こうとする設計者、それに迎合して新建材をやたらに使ったり、おかしなところに平気で窓をつけたりする業者が多すぎる。 私たちの財産でもある在来工法の中にある生活の知恵を継承し、新しい視点から見直し発展させ、今日の住宅にマッチした活用方法を考えていかねばならない。  消費者も見せかけだけの豪華さで家を選ぶことをやめ、安全性、居住性、耐久性といった日々の生活の視点から住居を選ぶ知識を身につけるべきだ。 メーカーがどんな家をつくるかということも、結局は消費者の住意識やニーズが左右するのだ。  住宅はテレビやカメラとは違う。 人間生活の器として安全と健康を守る。日々の生活を支え豊かにする。 住生活の中で文化がつくられ継承され発展していく。 住宅の集まりは街並みをつくる。 個々の住宅は小さな存在だが、その全体は生活と文化に関わる大きな存在である。  企業がつくったり建てたりしている住宅は、企業が意識するしないにかかわらず、そういう役割を果たしているのだ。ここに住宅産業、不動産業の社会的責任と仕事に対する誇りがあるはずだ。 日本の住宅企業はどれだけそれを意識しているだろうか。 競争があるからといって、奇をてらった見せかけの商品主義に身を焦がしたり、土地投機で儲けることに生き甲斐を感じていたのでは、とても社会的責任は果たせまい。  住宅産業や不動産業は本来、住まいと街づくりを通じて社会と文化を形成していく誇るべき仕事であるのに、日本の現実ではいまだに社会から尊敬をうけるような存在になっていない。 それは、自らたずさわる事業へのこうした社会的自覚が乏しいからであろうと思われる。  住まいは個人と家族の心身の健康を保持する基盤である。住まいと住環境は、いわば予防医学の役割を果たしているといってよい。 国民のすべてがこの基本認識をもって住まいを見直すこと、それがまず必要なのである。

このページの先頭へ