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住宅の広さと死亡率の深い関係

2018年3月14日「水曜日」更新の日記

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昔の病気と今の病気はガラッと変わってしまっている。  昔の病気はコレラ、チフス、肺結核、天然痘など、だいたいにおいて伝染性疾患だったのに対して、現代の病気は慢性病、成人病、持病などで、様相が違っている。死因をみても、ガン、脳血竹疾患、心疾患、肺炎・気管支炎、肝硬変、不慮の事故、自殺、結核、高血圧症の順である。  大阪府下でこの10年問にふえた死因は、心疾患32パーセント、肝硬変30パーセント、ガン22パーセントなどとなっている。  これら現代の病気は、住環境と深い関係がある。  1970年に厚生省が居住環境と健康の関係を調査したことがあった。 住環境を日照、通風、騒音・振動、空気汚染、1人当たり畳数の5項目から良好、中等、不良に分け、自分は健康と思うかどうかという自覚的評価や持病との関係を明らかにした。  まず自分は健康と思うか不健康と思うかという自覚的評価は、「住環境良好」の者は健康39 パーセント、不健康17パーセント。 「住環境中等」では健康34パーセント、不健康13パーセント、「住環境不良」は健康28パーセント、不健康16パーセントという差が出ている。  これを持病の有無でみると、女性でリューマチのある人は、住環境良好3パーセント、中等7パーセント、不良19パーセント。 同じく心疾患は、2パーセント、3パーセント、24パーセント。 精神病では7パーセント、12パーセント、80パーセントという大きな差になっている。 現代の病気を治すためには、家を広くしたり、日当たりをよくしたり、風通しをよくしたりしなければならない。 個人の努力でできることもあるが、居住地全体がよくならなければどうしようもないものも多い。 ここに現在の都市環境とそれをつくりあげている都市計画の制度や住宅・土地政策を改善しなければならない大きな理由がある。

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