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これからは家の形を工夫する時代

2018年2月12日「月曜日」更新の日記

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 現代の日本に当てはめて考えてみるとどうでしょう。素材も多様で、その加工も機械で正確にできます。それにもかかわらず大半の家は、相変わらず四角のままです。  幸いわが国は、北の一部の地方を除き温暖であり、住みやすい風土です。多少の寒暖の差はあっても、過酷な自然環境といった土地はあまりありません。ですから、特に意識しなければ、エスキモーのように家のつくりを工夫するというような発想は生まれなかったのでしょう。そのため、かつて「つくりやすいから」という理由で生まれた四角い家を、誰も特に変えようとは考えなかったのだと思います。  でも、本当にそれでいいのでしょうか。確かにわが国は全般に温暖で住みよい気候の国であります。しかし、非常に人口密度の高い国でもあります。国土の大半は山がちな地形。 そのため住宅地の多くは、山を切り開き、谷を埋め、それを小さく区画に分け、そこにたくさんの家が密集しています。平坦な場所に敷地を持つことができるのは、一部の恵まれた人かもしれません。  狭いところに密集すれば、当然、プライバシー保護という問題が出てきます。お隣と窓が接近していて、家の中を覗かれるようなところも少なくないでしょう。日当たりの問題もあります。三方を家屋に囲まれ、ある時間しか日光が当たらないといった悩みは、珍しくありません。  都市部の住環境の問題は、さらに深刻です。家が幹線道路に面しているため、窓を開けると排気ガスが入ってくる。洗濯物も干せない。騒音がひどくて、窓が開けられない。窓が開けられないと、風通しが悪くなり、家がカピやすくなる。それが原因となって家族がアレルギーを引き起こす等々。  こう考えると、一見住み良い環境のはずのわが国も、都市を中心に非常に過酷な住環境にさらされているというのが現実なのではないでしょうか。  そうであれば、いまこそ家の形や構造などを、みんながそれぞれ工夫して暮らしてみるという時代なのではないかと思います。例えば四角というこれまでの固定観念は横に置いておいて、自由な発想で、快適な住環境の実現を目指すことを考えた方がいいのではないでしょうか。

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