管理人はだれ！？

2017年9月21日「木曜日」更新の日記

大工職人と日本の山はどれほど結びつきがあるでしょう。むかしから深い関わりがあって、木のことは大工さんに聞けばわかると考えがちですが、そうでもありません。木のことは材木屋に聞けといいますが、町場の材木屋が「日本の山」の木のことを知っているかというと、これも怪しくなります。外材ばかり扱っているうちに日本の山の現状が見えなくなってきているのです。実は、山のことは山に行かないとわからないのです。それほどまでに現在の流通は、町の大工さんと材木屋と山をそれぞれ遠いところに切り離してしまいました。近くの山の木で家をつくることは、この離れてしまった人間関係を取り戻すことでもあります。そのことが住まい手ばかりでなく、大工職人や山のためにもよいと考えられるからです。そこで進行役と調整役が大切になってきます。山の木の購入から製材運搬まで目を通して、無事、大工や工務店の手に渡り、住まい手の家になるまで見届ける役目は、第三者である設計者が適任です。住みよい家の設計はもちろん、木材の検査も含めて新たな責任が生まれますが、住まい手の立場に立って、利害関係のない公正な判断が可能なのは設計者しかいないでしょう。設計者が山に入るときが来ています。これまでの仕事の流れから脱して、山と町を積極的につなぐ役目を担い、伝統文化である大工仕事をより理解して、日本の木を使った日本の家、つまり木組の家づくりを目指すべきではないでしょうか。また、みなさんの身近な所に、新しい関係を模索している腕のいい設計者や大工職人がいるかもしれません。眼を凝らしてみると地域の人脈が見えてきませんか。

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