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木のくせを読む

2017年9月16日「土曜日」更新の日記

2017-09-16の日記のIMAGE
木が山に生えているときの姿をご存知でしょうか。日本ではほとんどの場合、木は山の斜面に根を下ろしています。そのため、根元が湾曲している木が多いのです。その部分をアテといいます。アテは使い方によっては丈夫な部材ともなります。むかしはアテの部分も使いましたが、最近では木を切り出すときには、まっすぐに生えている幹から木材として利用できる長さを決めていきます。一本の原木から木材をとることを木取りといいます。木の根元を元口といい、先端部分を末口といいます。元口から順に一番玉、二番玉という呼び方で柱や梁材を木取ります。一般に元口は節が少ないのですが、穴あきなどの欠点が多く、二番玉がよいとされ、単価も高く設定されています。木が建材として優れているのは、繊維方向の強さと加工のしやすさによります。ご存知のように、木は無数の繊維の束で出来ています。繊維は木の生長を支える細胞から成―立っています。細胞内には樹脂が詰まっていて繊維を束ねています。この繊維は樹脂によって強度を持ち、木の力を支えています。木が繊維方向に強いのはこのためです。原木の幹の中の細胞は、自重を支えながら木が生長するために力の均衡を保っているのです。 そんな強さを持った木でも、金属の刃物で比較的容易に加工ができます。鋸や鉋や鑿といった大工道具によって、山から切られて来た木が優れた建材として息を吹き込まれるのです。 しかし、木は育った過程についたくせが抜けません。いくら刃物を研いでも、直せないくせがあります。これこそが自然素材のむずかしさです。そこで木を扱う人びとには、木の性格を読む眼力が必要となります。木組の家づくりには、長年培ってきた大工職人としての経験が必要なのです。

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