管理人はだれ！？

2017年7月4日「火曜日」更新の日記

（一）「モノづくり」産業から日本経済を救うために。こうした視点をもちながら、私どもは個別の企業を分析する手法で日本経済を分析してきた。バブルの崩壊から今日まで、景気の長期低迷が続いている。「景気回復の兆しあり」と政府が発表しても、なかなか実感が持てないというのが現状である。私どもの分析からすると、日本経済は一九八〇年代後半にバブルが膨張し崩壊する、そのずっと以前から構造的に大きな問題を抱えており、それがここにきて相当深刻な状態を哂しているとみている。もう少し具体的に説明してみたい。日本は、明治以来「モノづくり＝生産」を大事にしてきた経済であった。鉄鋼や化学、自動車や電機を中心に、あらゆる産業で素材から最終製品まで、縦横に広がる生産体系を構築してきた。そして出来上がった製品は国内向けというよりは、むしろ青天井の海外市場に向けて輸出されてきた。国内の需要を上回る生産能力を抱えたというわけだ。資源がなく輸入に頼らざるを得ない日本では、輸出は輸入品を手に入れる時に必要な外貨を獲得する上で重要であった。日本製品の国際競争力が高まり、輸出に力を入れた結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の黒字は、東京オリンピックが開催された一九六四（昭和三九）年から続いている。さらに、もう少し範囲を広げて、海外旅行での収支や海外への投資収支等も含めた経常収支は、二〇年近く連続して黒字である。こうした経常収支の黒字累積が日本経済にとっていかなる弊害になっているかについては後で詳しく説明するが、海外とのモノやサービスのやり取りでは、単純に「黒字はよいこと」にはならないということである。私がここに書こうとしている一つの大きな柱は、この経常収支の恒常的な黒字があまりにも大きくなり、副作用を生じているということにある。

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