管理人はだれ！？

2017年6月4日「日曜日」更新の日記

現在の日本における住宅ローンは、借金の手段としては、破格の低金利商品だ。先ほど挙げた金利は少し高めにしておいたが、勤務先や勤続年数などが金融機関の基準に該当すれば、もっと安い金利で長期のローンを組めることもある。金利が安くなり、融資期間が長く取れれば毎月のローン返済額は抑制され、家計ペースでみたキャッシュフローにはゆとりができる。また、繰り上げ返済についても、金融機関同士の競争により手数料は下がり、手順も平易になっている。そして、そのマンションが不必要になれば、売却すれば良いでしょう。購入時よりも価格が下がったとしても、その下がり幅は、高額の新築マンションを購入した場合よりもずっと低いため、同じ期間家賃を払い続けた場合と比べれば、失う金額は少ない可能性が高い。このように、損得だけを考えれば、私としては「いつか売ることを想定した、中古物件の購入」がお勧めなのである。ちなみに、私のように不動産売買仲介の営業マンをやっていると、仕事柄、売主の事情で「格安」となる物件、また、その源泉となる情報に遭遇することがある。そして、「職場に通える範囲なら住む場所はどこでもいい」といったふうに、あまり住む地域にこだわらない営業マンの中には、こうした物件が出たとき、「じゃ、私が買います」と、いつか売ることを視野に入れ、自宅を獲得する者も少なくないのである。こちらでは不動産、中でも売買仲介を中心に、「ぶっちゃけ話」をあれこれと披露させていただいた。守秘義務の観点から、登場人物名を仮名にしたり、細かい地名などは伏せるなどの配慮は施しているが、基本的にはすべて、私が経験した実話である。よって、人生の中で、不動産の売主・買主になり、不動産関連業者と関わる機会があれば、この本を読み返してもらいたい。業界の事情や営業担当者の思惑を知ることで、その担当者を驚くほどコントロールしやすくなるはずだ。さて、不動産の売買仲介業は、衣食住の一角たる「住」を担うこともあって、大昔から存在する産業だ。もちろん、時代に適したウェブでの攻勢も行われているが、依然としてポストへのチラシ投函や折り込み広告といった媒体も現役であり、昔ながらの営業ツール・営業手法が多用され、泥臭い部分も少なくない。それでも、私白身は、不動産売買仲介が「背から存在する産業」だからこそ、この仕事を通じ、ある意味普遍的な「営業」という仕事におけるマインドやテクニックを身に付けることができたと感じている。

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